ちーちゃんはちょっと足りない

メンヘラ描写が圧巻『ちーちゃんはちょっと足りない』
ちょっとおバカなちーちゃんと、その友達・ナツの日常を描いた『ちーちゃんはちょっと足りない』。序盤のほのぼのムードから一転、後半ではナッちゃんことナツの迷走が始まります。
読み終わってみると、このマンガの真の主役はナツなのではないか―…と思ってしまうほど、毒々しく存在感のあるナツの「メンヘラ」描写。
正直「ナッちゃん気持ち悪っ!」って思っちゃう読者も多いと思います。本当にこのマンガ、ナッちゃんだけがいやなやつなんですよね(笑)
お金がないなど、思い通りにならない現実に対し、ナッちゃんはいつも受け身で、環境のせい、他人のせい、自分(たち)ってかわいそう…と考えてしまいます。
また、そもそもその「現実」の受け止め方もかなり偏っています。「自分たちだけがこんな目に遭うなんて、おかしい」という被害者的な意識のまま、
知らず知らず卑怯で汚い人間になっていき、だんだん孤立していきますが、そんな構造に気づくこともできず、自分を変えることもできず、
ただ「死にたい死にたい」「どうせわたしだけがクズ」とつぶやくことしかできません。
これほど克明に「メンヘラ」のこじらせ感を描いた作品は初めてではないでしょうか。
ナッちゃんの気持ちは、分かるような気もするし、分からないような気もするし…結構後を引くというか、読み終わった後もいろいろと考えさせられます。
けっきょくナツはこじれたまま、結末を迎えますが、結末の読後感の悪さ・居心地悪さも一級品です。どうぞ元気なときに読んでみてください。

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